『風浦可符香(P.N)』製作日誌 その1 |
▼2007/08/04 ■ひ、避諸地から戻ってまいりました…。 現実から目を背けていても仕方がないのです。イベントの開催日というもっと恐ろしい現実も迫ってきていることですし。 ■キズ埋めには溶きパテ(パテをシンナーで溶いて粘度を緩くしたもの)を使います。いつも使ってるのは板金用の「ソフト99うすづけパテ」(いわゆるラッカーパテ)をラッカーシンナーで溶いたもの。下地にガッチリ食いついてくれる上に、密度が高いので綺麗に仕上がってくれます。 模型用のシンナーでは溶けないのでラッカーシンナーを使うんですが、溶剤成分が強いですから換気には注意です。 画像の黄色くなってる部分が、溶きパテを塗った箇所。完全に乾くまでしばしの我慢。 ■表面処理には耐水ペーパーを使用します。あらかじめ短冊状に切って番目ごとにまとめておくと作業効率が上がります。 まずは磨き始める前に、篆刻刀を使ってダル目のモールドをしっかり彫り直し…。 ■入り組んだモールドを処理する際は、このようにペーパーを三角に折り、中に爪楊枝を入れて芯にすればうまく磨けます。 スカートの内側など奥まった面を磨くときはこれを応用して、爪楊枝の代わりに綿棒を使用。ぴったりと面になじんでスムーズに作業できますよ。 ペーパーに水を付けるかどうかはケースバイケースで。 ■という具合で、磨き始めてはや十数時間。だんだん表面も綺麗になってきたですよ。 ここで綺麗に磨いておけば、そのぶんキットを組んでくれる方が楽できますもんね。購入してくれた方にご迷惑はかけられません。それでなくても塗装したりとガレキはいろいろ面倒なのに。 …ハッ、でもそんな面倒なものを売ること自体が迷惑行為なのでは? もしかしてそんなものを作ってる自分も社会の邪魔者なのでは? すいません! 私ごときが皆さまにご迷惑をかけてしまい本当にすいませんすいません!! 可「休まずに作業を続け過ぎたせいで、加害妄想に陥ったようです。デトックスしなくては!」 |
▼2007/08/03 ■さあ、すべてのパーツが揃いましたよ。パッと見た感じキズも無くなったみたいだし、ここらで表面の状態を見るために一度サーフェイサー(サフ)を吹くですよ。 ぼくはクレオス社の瓶入りサフをシンナーで溶いたものを、エアブラシを使って吹いてます。缶タイプのものと違って、うっかり吹き過ぎてモールドを潰すことも無いし、部分吹きも出来るしで結構便利。 つーことでプシューッと。 ん?これは……。なんだ、この次々と露わになってくるキズと凸凹の群れは! こんなに沢山のキズを全部磨き直すなんて、考えるだに恐ろしい! 嫌だ! こんな現実受け入れたくない!! 可「大変。大量のキズを一度に見てしまってパニックになってます! 急いで避諸地へ非難させないと!」 非難訓練もついてくるんですか! 絶望した!! |
▼2007/08/02 ■本体と並行して小物の製作も進めてます。可符香さんの左手に持たせる鞄です。 中学・高校と6年間毎日使っていたにもかかわらず、意外と細部が思い出せない学生鞄。そんなときもグーグルでイメージ検索すればすぐに資料が揃いますよ。素晴らしきかな、ネット社会。 ■ああ、それにしてもちんまいものに細工するのは苦手です。友人のメカ原型師なんて4cm大の超絶ガンダムとか作れるのになぁ…。つか、なんでエポパテのムクで作ってるんでしょう。プラ板使ったほうが楽ではないか? まあでもフィギュアに添える小物としてはこれくらいのヌルさ加減で丁度いいかもです。ほら、あんまりきっちりしてないほうが造形に温かみも出るし。 可「やだなぁ、そんなに露骨に予防線張らなくてもいいんですよ。そんなことしなくても、誰も気にしませんよ」 |
▼2007/08/01 ■前回から4日経過。ポーズも固まり、だいぶ形になってきました。 下半身のほう、あとは表面を磨くだけのとこまで完成。 羽美のときもそうだったんですが、久米田先生の描く脚と靴はクニャリとしたデフォルメ加減が独特なんで、再現するがムズイです。靴なんか3回も作り直してるし。 …というか、再現できてるのだろうか?(汗) 可「ほどよいBJパンツですね」 |
▼2007/07/27 ■髪の毛盛ってみました。 可「髪形さえ変えれば、違うキャラクターにもなりそうです」 |
▼2007/07/26 ■ずいぶん間があいてしまいました。そしてなぜか原型の素材もエポパテに変わってしまっています。 なぜでしょう? この前まではスカルピー製だったのに? 思い出せない…前回から何があったのかが思い出せない…。 可「やだなぁ、思いつきで全部作り直したなんてこと、あるわけないじゃないですか。そうだ、きっと前回までの記憶は前世のものだったんですよ。だから、もっと追い込まれれば、近いうちに来世に行けますよ。さあ行きましょう、新しい未来へ♪」 |
▼2007/05/12 ■体の芯にちょっとずつ肉盛りなのです。肉盛り…美味しそうな表現ですね。 足首部分はダミーでもなんでもいいので、最初からつけといたほうが全体のバランスを正しく見れます。あとで追加すると、たいがい足長さんに作ってしまったことが発覚して失敗します。 可「そんなことありませんよ。間違いは発覚した時点で正解になるから大丈夫ですよ」 |
▼2007/05/03 ■次に、首から下を繋いでいきます。金属線でポーズを決めて、それに材料を盛り付けて体の芯とします。軸には今回アルミ線を使いましたが、あとで切断できて(スカルピーの加熱の際に)熱しても変形しないものならなんでも構いませんです。 それにしても髪の毛の付いてない頭と、肉の付いてないヒョロヒョロの体…あらためて見ると不気味。 可「やだなぁ、不気味なんかじゃありませんよ。むしろキモカワですよ」 |
▼2007/04/27 ■いつも通り顔の製作から入ります。今回はスカルピーを使用です。 ヘラや竹串を使って写真左の状態ぐらいまで仕上げたら、いったんオーブンに入れて焼き。そのあと頭全体のバランスを見るため後頭部を盛りますが、ここはあとでまた削り落とすことになるのでまあ適当に。 可「作り直すこと前提の製作なんですね?」 |
▼2007/04/04 ■夏ワンフェスに参加申し込みしました。 製作にはやる気持ちを抑え、まずは資料集めからスタートなのです。 準備はあらかじめきっちり済ませておかないと。 可「下見ですか?」 |